福島県いわき市小名浜を舞台にしたアニメーション作品「人力戦艦!?汐風澤風(しおかぜさわかぜ)」が完成した。福島ガイナックス(福島県三春町)が市民団体「小名浜まちづくり市民会議」と協力して制作。東日本大震災からの観光復興に活用する。
 汐風と澤風は実在した旧日本海軍の駆逐艦で、戦後、平和利用のために防波堤として小名浜に沈められた。アニメは約15分間。東日本大震災が時空に影響し、別次元とつながる巨大ワームホールが開いてしまい、そこから大量の時空怪獣が襲ってくるという設定。
 競輪選手を目指す男子高校生が、汐風、澤風が変形したロボットと「時空怪獣」に立ち向かう。
 汐風は青年の、澤風は女の子の意志を持つ。高校生は澤風に乗り込み、動力となる。澤風のタービンが展示されている三崎公園(いわき市)や小名浜の街並みが描かれ、同市のB級グルメ「カジキメンチ」も登場する。
 震災で減った交流人口の回復につなげようと、約1年前に地元有志ら市民会議がアニメ化を依頼した。作品は動画投稿サイト「ユーチューブ」で流すほか、各種イベントで上映する。続編の制作も検討中。
 3月に同市であった完成試写会には約200人が来場。茨城県北茨城市の中山あずささん(18)は「ロボットの戦闘シーンがかっこよかった。(駆逐艦の史実は)知らなかったので、海沿いも見てみたい」と笑顔で話した。
 福島ガイナックスの浅尾芳宣社長は「子どもも大人も楽しめる作品になった」と説明。市民会議の鈴木泰弘副会長は「多くの人に見てもらい、観光PRにつなげたい」と期待した。