東北で区割りの再編対象となった宮城、福島両県では、現職議員や地元首長から戸惑いの声が上がった。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興途上にあり、「被災地が混乱し、復興に支障を及ぼす」との懸念が相次いだ。
 宮城は4区の松島、大郷両町、6区の南三陸町が5区に編入される。6区の自民党現職小野寺五典氏(56)は「被災地は国が直接予算を充てて支援している。国会議員が変われば有権者が戸惑う」と指摘。松島、大郷両町は強固な保守地盤で、4区の自民現職伊藤信太郎氏(63)にとっても痛手だ。
 5区の民進党現職安住淳氏(55)は「1票の格差是正のためにやむを得ない」と受け止めつつ、「選挙の度に区割りが変わっては政治不信を招く。人口が減る被災自治体を同じ選挙区にまとめる発想は被災地軽視だ」と不満をあらわにした。
 1区は仙台市太白区の秋保地区が3区に組み込まれる。同地区出身の民進現職郡和子氏(60)=比例東北=は「地元後援会の支えは非常に大きく残念」と落胆し、「都市部に議員が集中し、地方の課題が解決できるのか」と疑問を呈す。自民現職土井亨氏(58)は「勧告は残念だが仕方ない」と話した。
 福島は3区の西郷村が4区に編入される。有権者は今後、3区の民進現職玄葉光一郎氏(52)から、4区の民進小熊慎二(48)、自民菅家一郎(61)=比例東北=の両現職がいる選挙区に移る。
 佐藤正博村長は「人の往来や文化圏を考慮すれば、分断されたとの違和感を禁じ得ない。県内にはいまだに原発事故避難者もおり、人口の推移を見て判断すべきだ」と批判した。内堀雅雄福島県知事は「自治体の振興に支障が生じないよう国に対して地方の声を伝えていく」との談話を出した。