いわき市を本拠地にするサッカー福島県社会人リーグ1部いわきFCが、快進撃を続けている。現在のチーム体制になってからわずか2年目。9日の県代表決定戦でJ3福島を破り、22日開幕の天皇杯全日本選手権初出場を決めた。原動力は「Jリーグトップ級に並ぶ」と自負する練習環境で進める肉体強化。目標のJリーグ入りへ、地元の期待が高まっている。
 市内に昨年11月完成した専用グラウンドで16日にあった県リーグ開幕戦。いわきFCは豊富な運動量で10-0と大勝した。
 「相手にパスを5本以上つなげさせるな」。元Jリーガーの田村雄三監督が指示したのは前線からプレスをかける攻撃的サッカー。「単に勝つだけではなく、試合ごとにテーマを設ける」と先を見据える。
 チームは2015年12月、米スポーツブランド「アンダーアーマー」製品を日本で展開する「ドーム」(東京)が運営会社を設立。県リーグ2部に昇格予定のチームの運営権を譲り受けた。東日本大震災からの復興支援も念頭に置き、市内に物流センターを設けたのがきっかけだ。
 ドームは物流センター敷地内にグラウンドを整備。クラブハウスも6月の全面オープンを目指して建設中だ。選手は午前を中心に練習し、午後はセンターで働く。専門の栄養士が管理する食事を原則3食取り、サプリメントとウエア、スパイクなど用具の提供を受ける。
 練習ではドームのノウハウを生かしたフィジカルトレーニングで、当たり負けしない体をつくる。最先端設備を備えたクラブハウスのジムの利用も始まった。
 いわき市出身で入団2年目のFW吉田知樹選手(19)は「体重も増え、肉体的にも強くなった。国内トップクラスの環境でサッカーに必要な動きを追い求めたい」と意気込む。
 成果は表れ、昨年は県リーグ1部昇格を決め、全国クラブチーム選手権で優勝。Jリーグチームから声が掛かった新卒を含め、有望選手が集まりだした。
 観客数は増えつつある。清水敏男市長は18日、チームの訪問を受けて「勝利は市民の元気につながる。震災復興へと立ち上がる姿と重ね合わせて見ている人が大勢いる」と激励した。
 天皇杯1回戦の22日は、とうほう・みんなのスタジアム(福島市)で、ノルブリッツ北海道と対戦する。
 運営会社代表取締役で、ブランメル仙台(現ベガルタ仙台)でプレーした大倉智総監督は「スポーツを通じていわきを元気にする。天皇杯で旋風を起こせたら、いわきの名前が全国に広がる」と力を込める。