八戸港(青森県八戸市)から青森県産リンゴの輸出の可能性を探ろうと、同県内外の企業が香港向けの試験輸出に取り組んでいる。海運による所要時間や到着時のリンゴの品質などを検証する。陸送の人手不足解消や二酸化炭素(CO2)削減の効果も期待でき、関係者は結果に注目する。
 リンゴ卸売業者マルジンサンアップル(平川市)がリンゴを用意し、青果会社大手の大果大阪青果(大阪市)が仲介、商社を通じて香港で販売する。神戸市の大手港湾運送会社が輸送を担う。
 八戸市内にある同社の出張所で8日、10キロ入りのリンゴ約150ケースをコンテナに積み込んだ。積載した内航船が同日、八戸港を出港した。横浜港で外航船に積み替え、香港まで運ぶ。
 輸送期間は現状の約1週間より長い11日間を想定し、到着は19日の予定。同港からのコンテナ定期航路が開設されれば、短縮が見込める。
 マルジンサンアップルの葛西万博社長によると、トラックで青森県と関西の間を往復した場合、1週間程度かかることもある。このため県内でトラックを確保できず、台湾から注文があっても対応できないことがあったという。
 葛西社長は「津軽方面から八戸までは日帰りできる。(実現すれば)現地までの時間はかかっても、トータルでは輸出量を増やせる」と意気込む。
 大果大阪青果の堀ノ内重治専務は「八戸港から輸出できれば物流経費やCO2の削減が見込める。輸出量を増やせれば、リンゴ農家の収入安定にもつながる」と話した。
 八戸港からの県産リンゴ輸出は、台湾経由のコンテナ定期航路が廃止された2012年に途絶えた。現在は関東や関西まで陸送し、横浜港や神戸港などから輸出している。