コメの生産から精米、販売までを一貫して手掛ける農業法人黒沢ファーム(山形県南陽市)が、もみと玄米、精米した白米について、農産物の国際認証「JGAPアドバンス」を取得した。白米を含めた認証取得は全国初。自社米の輸出競争力強化に加え、2020年の東京五輪・パラリンピックを控え国産食材の需要増に対応する狙いがある。
 JGAPアドバンスは国内取引だけでなく、輸出用農産物についても安全性や持続可能性が確保されていることを示す。
 黒沢ファームは、香港とシンガポールに自社精米したつや姫や夢ごこち、ミルキークイーンを年間計約20トン輸出。昨年春からJGAPアドバンスの取得準備を進めてきた。
 同ファームによると、日本GAP協会(東京)の審査は従業員の労務管理や農薬・肥料の保管方法、異物を除去する精米方法など170項目に達した。感染症対策として、屋根の隙間に鳥の侵入を防ぐ網を張るよう指示されるなど徹底した安全管理が求められた。
 JGAPではもみと玄米は農産物、白米は食品として扱われる。白米での認証取得には、従業員が食品製造・加工の認証基準HACCP(ハサップ)の研修を受ける必要もあった。
 同ファームの認証取得は4月28日付。有効期限は2年で、更新に向け随時検証作業が続くという。
 黒沢信彦社長は「東京五輪・パラリンピックで選手や関係者に自社米が提供されればブランド力が向上する」と狙いを説明。「認証取得に向けた作業を通じて生産工程のルールが明確化され、従業員の意識や知識が高まる効果もあった」と話した。

[JGAPアドバンス]JGAPは「Japan Good Agricultural Practice」の略。食の安全や環境保全、労働環境などの観点から持続可能性を確保していることを示す日本版GAPで、輸出農産物にも対応する認証として2016年9月に審査が始まった。東京五輪・パラリンピックで選手村などに食材提供するために必要な認証として、大会組織委員会が関係機関に取得を求めている。