NTTドコモは13日、災害発生時に警察や消防などが専用の情報通信網を確保し、共同利用する「公共安全LTEシステム」の実証実験を宮城、岩手、福島3県で実施し、成功したと発表した。携帯電話の高速通信規格「LTE」網を活用し、通信が困難な状況でも公共機関が災害現場の映像などを共有できるシステムの構築に生かす。
 各公共機関は独自の通信システムを使っており、災害時は情報共有が難しかった。ドコモは携帯電話とは違う周波数でLTEにつなげるシステムを開発。専用端末を使って映像などを送れば、全国各地で災害現場の状況をリアルタイムに共有することが可能になる。
 ドコモは1~3月、宮城県内3カ所に実験基地局を設置し、岩手、福島両県を含むエリアで通信状況を測定。基地局の半径50キロ圏内で高速通信が可能であることを確認した。
 6月6日には仙台市消防局と協力し、実際に映像を伝送する実験を若林区荒浜の訓練場で実施した。ヘリコプターに専用端末を搭載し、ヘリと救助隊員のカメラで撮影した映像を送信。訓練場と離れた市消防局などで映像を共有し、システムの有用性を確認した。
 災害時に公共機関が共同利用する通信システムの構築については、電波産業会(東京)や総務省などが議論している。
 ドコモの担当者は「共同利用システムのベースとなる技術を確立できた。LTEは世界で規格が統一されており、必要な基地局や端末の開発も簡単になる」と話した。