17人が死亡、6人が行方不明になった岩手・宮城内陸地震から14日で9年になった。大規模地滑りや土砂崩れが相次いだ栗原市の栗駒山麓に観光客は戻りつつあるが、オートキャンプ場の休業や温泉宿泊施設の廃止が響き、かつてのにぎわいには程遠い。観光を柱にした地域産業の回復は道半ばだ。
 内陸地震は2008年6月14日午前8時43分、岩手県内陸南部を震源に発生。マグニチュード7.2、栗原、奥州両市で最大震度6強を観測した。死者は宮城県14人、岩手県2人、福島県1人。宮城県で4人、秋田県で2人が行方不明になっている。
 栗原市栗駒耕英の温泉旅館「くりこま荘」は一時、廃業も検討した。社長の菅原次男さん(75)は「地震後、娘夫婦が『営業を継続させたい』と戻ってきたが、経営的には厳しい状況が続いている。客足が戻るにはまだ年月が必要だろう」と語る。
 栗駒耕英地区では14日、土石流の直撃で全壊し、7人が亡くなった「駒の湯温泉」の慰霊碑前に住民らが集まり、犠牲者の冥福を祈る。市は地震発生時刻に合わせて防災行政無線でサイレンを鳴らし、黙とうを呼び掛ける。