東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質で汚染された国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の廃棄物を巡り、宮城県は18日、廃棄物を保管する自治体が地元の圏域ごとに個別処理する新方針を提案した。全首長の合意により、県内の15焼却施設で一斉処理を目指した従来方針を断念。自治体側の異論を考慮し、処理策を転換した。
 廃棄物約3万6000トンの処理方法を話し合う市町村長会議を県庁で開き、村井嘉浩知事が説明した。新方針では圏域ごとの焼却施設で処理を推進。焼却炉に余裕を持たせるため、廃棄物がない自治体は家庭ごみの受け入れで協力する。
 焼却への住民の反発が根強く、堆肥化や土壌へのすき込みといった焼却以外での処理に取り組む自治体を容認。焼却以外で処理する自治体にも、他圏域の家庭ごみを受け入れてもらう。
 焼却を予定する広域行政事務組合や自治体は、今秋から1日1トン程度を家庭ごみと混焼する試験焼却を6カ月間実施し、モニタリングなどの結果を踏まえ本焼却に入る。試験焼却は各圏域で時期を合わせて実施する計画とした。
 県は、昨年11月の市町村長会議で県内一斉焼却を提案。住民の強い反発を理由に栗原、登米両市が難色を示し、試験焼却を始める条件とした全首長の合意を得られなかった。
 会議では、県が全市町村を対象に5月に実施した意向調査の結果も公表。焼却処理を予定するのは10自治体で計1万4992トン、焼却以外の処理は16自治体で6397トンだった。
 村井知事は「この案がベストで、これ以上の方法は見つからない」と強調。「(合意を)これ以上待っても時間がかかる。焼却を実施する自治体に責任と非難が集中しないよう、県内全体で協力しながら焼却を進めていく」と話した。