北朝鮮が日本海に向けて発射した弾道ミサイルが秋田県の男鹿半島沖約300キロの排他的経済水域(EEZ)に落下したことを受け、沿岸自治体は4日、漁業関係者の安否確認など情報収集に追われた。
 秋田県は同日午後2時に主幹課長による連絡会議を招集し、情報収集や連絡を密にすることを確認した。
 一報を受けた佐竹敬久知事は「ミサイルをEEZまで飛ばすというのは大変な暴挙」と強く非難。発射のタイミングについて「東京都議選後の国政の混乱に乗じ、日本の混乱を助長する意図があるのではないか」と推察した。
 男鹿市総務課危機管理室によると、ミサイル落下時、周辺で操業中の漁船はなく、男鹿海洋高(男鹿市)の実習船も港に停泊中で被害はなかった。
 青森県はミサイル発射を確認後、日本海で操業中の漁船など9隻に被害がないことを確認した。県防災危機管理課の佐藤敬一郎総括主幹は「『また海に着弾するだろう』という住民の慣れが怖い。被害を最小限にとどめるため、身を守る行動を周知徹底したい」と語った。
 県内ではむつ、弘前両市がミサイル発射を想定した避難訓練を既に実施した。今後、日本海側のつがる市や深浦町が県と合同訓練を行う予定。
 山形県は県内の漁協所属の漁船220隻と県漁業調査船2隻、加茂水産高(鶴岡市)の実習船「鳥海丸」の安全を確認した。ミサイルが落下した海域付近で6月上旬、県内の漁船がイカ漁をしていたといい、漁業関係者らの緊張感は一気に高まった。
 吉村美栄子知事は「度重なるミサイル発射は国連安全保障理事会決議に違反し、断じて許されない。政府に断固とした対応をとるよう求める」とのコメントを出した。