東日本大震災で町長と職員の計40人が犠牲になった岩手県大槌町の当時の対応を、町民や議会の要請を受けて再検証した結果がまとまり、小山雄士震災検証室長が6日、平野公三町長に報告書を提出した。
 大槌町役場では大津波が迫る中、庁舎前に災害対策本部を設置していた。報告書は、津波の危険への認識不足と防災体制の不備により、役場組織の危機管理と職員の安全確保が不十分だったと指摘した。
 大津波警報時の行動基準が明確ではない中で、災対本部の運営や住民の避難誘導に当たった結果、多くの職員が危険にさらされる状況を生んだと推測した。
 今後、役場の機能維持に不可欠な危機管理を徹底し、教育や訓練を通じて職員の津波に関する理解を深めるよう求めた。地域を包括した防災体制の構築と、これらの施策実現に向けた町長のリーダーシップも欠かせないと強調した。
 小山室長は県総合防災室長などを歴任して昨年7月に着任し、再検証を1人で担当した。震災の発生当時、町の防災施策を所管する総務課職員だった平野町長を含む当時の職員計80人に聞き取りを実施した。
 小山室長は「災害時に町民の命を守るためには役場が無事でなければいけない。犠牲になった方々のためにも防災のまちづくりを進めてほしい」と述べた。
 平野町長は「(40人の犠牲は)私を含めて防災担当がしっかり対応しなかった結果だ。指摘を受け止め、具体的な対策を講じたい」と語った。