岩手県奥州市前沢区の奥州万年の森公園に整備していた大規模太陽光発電施設(メガソーラー)が8月上旬に稼働することが6日、分かった。不適正な事務処理を指摘されて曲折をたどった事業は、当初予定していた2016年10月から10カ月遅れでようやく動きだす。
 事業期間は20年で、公園内の敷地約55ヘクタールを活用する。計画では、電池容量は約18メガワットで、年間発電量は一般家庭約4800世帯の消費量に相当する約1万7000メガワット時を見込む。
 メガソーラー事業は環境施策の推進や用地の有効活用が目的で、市は14年1月に事業計画を発表した。事業者は発電した電力を東北電力に売って収益を確保し、市は土地の賃料などで5億円を超える収入を見込む。
 事業者に選定したNTTファシリティーズ(東京)が処理する条件だった残土の撤去費用を、市が事実上折半するなどしたため、市議会は15年9月に百条委員会を設置し、調査に乗り出した。
 百条委が17年2月にまとめた報告書は、事業者選定や残土撤去に関する事務処理を「不適正」と指摘。残土撤去費用の折半は「多大な損害を市に与えた。責任は市長にある」と結論付けた。市議会での議論を経て、6月定例会で小沢昌記市長の給与10分の5(3カ月)の減額も決まった。
 小沢市長は取材に「万年の森は、市全体で自然環境を保護していく象徴的な場所。メガソーラー事業でその原資を下支えできる。さまざまな議論があったが、今後は環境学習など市民の関心を高める取り組みを進めたい」と話した。