日本と欧州連合(EU)による経済連携協定(EPA)が大枠合意された6日、東北の経済界からは、おおむね歓迎の声が上がった。製造業者はEU向けの輸出拡大につながると予測し、輸入品を扱う小売業者は価格低下に期待を寄せた。
 東北は、段階的に関税を撤廃する自動車関連産業の集積が進む。内装部品を手掛ける加美電子(宮城県加美町)は国内大手を通じ、欧州の自動車メーカーに製品を供給している。担当者は「欧州向けは売り上げの3割を占める。関税撤廃で当然、良い影響が期待できる」と評価した。
 ブレーキ部品などを製造する岩手県内のメーカーは「EU向けは多くはないが、日本車が欧州で売れるようになれば波及効果があるだろう」と歓迎する。
 関税が撤廃されるEU産ワインの取り扱いが全体の6割を占めるやまや(仙台市)は「販売面でプラス効果を期待したい」としつつ「円安が続けば輸入コストは上がる。価格設定は難しい」と受け止める。
 国内のワイン需要は年々下がっており、同社の担当者は「価格より、どれだけ需要を喚起できるかが問われる」と気を引き締めた。
 EU産チーズは輸入枠を設け、段階的に関税をゼロにする。東北最大の酪農場を運営する小岩井農場(岩手県雫石町)は「製品の大半は牛乳かヨーグルトでチーズはわずか。特に問題はない」と説明した。一方、別の乳製品製造業者は「EU産と競合するナチュラルチーズを製造する小規模事業者は影響を受ける」と懸念を示した。
 東北六県商工会議所連合会の鎌田宏会長は「日欧EPAは世界の経済、貿易の約3割を占める。国内市場の縮小は避けられず、企業は新たな市場開拓の必要がある。政府には販路を求める東北の中小企業のサポートを望みたい」と話した。