東日本大震災で被災し、岩手県釜石市内の仮設店舗で営業を続ける飲食店経営者らが14日、独自の商業ビル建設計画を示した。民間出資で建設を目指すが、用地については市に市有地の売却や賃貸を求めた。
 ビル建設を表明したのは、JR釜石駅に近い仮設飲食店舗「釜石はまゆり飲食店街」(釜石市鈴子町)でバーを営む山崎健さん(48)ら4人。仮設店舗の撤去期限が来年3月に迫る中、ビルを建てて集団移転先とする計画だ。
 計画によると、ビルは4階で1、2階を飲食店街、3、4階を居住スペースとする。慢性的な賃貸物件の不足や民泊需要に対応でき、出資者や建設業者のめども付いているという。
 仮設飲食店が立ち並ぶ土地は将来、市が元の公園に再整備する予定。このため、近隣のイベント用大型テントが立つ市有地をビル建設候補地に挙げた。
 仮設飲食店舗では現在、名物飲食店「呑(の)ん兵衛(べえ)横丁」8店舗など30店が営業中。このうち18店が新築ビルへの移転を望んでいるという。休業中の店舗などを含め現時点で計27店舗の入居を見込む。
 山崎さんは「個別に再建するのではなく、駅やホテルが近い鈴子町に集積するのが集客上も有効。横丁文化も守りたい」と訴えた。
 市は被災飲食店の再建支援策で既に、市中心部に共同店舗を整備。野田武則市長は「撤去を含め大型テントの取り扱いを考える時期なのは確かだが、ビルの適地かどうかは別問題。既に再建した店と不公平が生じない範囲で協力の可能性を検討したい」と述べた。