東北楽天はパ・リーグのペナントレースを首位で折り返し、18日の日本ハム戦(北海道・函館)から後半戦に挑む。東北楽天の担当記者がチームの転機となった4試合を振り返る。

◎5月20日ロッテ戦@ZOZOマリン

 劇的なシーンだった。5月20日のロッテ戦、プロ初先発出場の新人田中が延長十二回に左越え2ランを放ち、2-0で勝った試合。田中の活躍はもちろんだが、指揮官の采配も印象深かった。
 緊張でがちがちだった田中は第3打席まで全くタイミングが合わず3三振。それでも梨田監督は忍耐強く使い続けた。田中は期待に応え、延長十回にプロ初安打を放つ。そして迎えた十二回2死一塁の第5打席。凡退すればチームの勝利がなくなる場面で、値千金のアーチを放った。
 勝因は梨田監督の試合後の言葉に尽きる。「代える気は全くなかった。最後は凡打でも仕方ない」。その信頼感が田中にも伝わり、失敗を恐れない、思い切ったプレーを引き出した。
 「優勝にはフレッシュな戦力の台頭とベテランの活躍が不可欠」と首脳陣から聞いたことがある。田中ら新人から41歳の松井稼まで、前半戦は幅広い年代の選手が活躍した。一見、劇的なようで、戦力を最大限に生かすベンチワークに裏打ちされた、今季の躍進を象徴する白星だった。(浦響子)