山形大工学部(米沢市)の男子学生が2015年11月、指導教員の40代の男性助教のアカデミックハラスメント(アカハラ)を苦に自殺していたことが3日、分かった。大学が設置した第三者調査委員会は自殺とアカハラの因果関係を認定。大学は約1年後に助教を停職の懲戒処分としたが、学生の自殺は公表しなかった。

 学生の両親は助教と大学に計約1億1900万円の損害賠償を求め、山形地裁に提訴。先月25日の第1回口頭弁論で、第三者委の調査報告書を証拠として提出した。助教と大学はともに答弁書で争う姿勢を示し、大学側は「(報告書の内容は)そのまま大学の判断となるものではない」などと反論した。
 両親の訴えによると、当時4年の学生は自殺の直前、スマートフォンに「助教を恨んでいる」という趣旨のメモを残していた。両親は自殺前、工学部の後援会や保護者会などで学生が悩んでいる様子を学部長ら複数の教員に相談したが、大学側から適切な対応はなかったとしている。
 大学は両親の求めで、外部委員4人による「工学部キャンパス・ハラスメント防止対策委員会調査委員会」を設置。調査委は16年6月、(1)助教によるアカハラがあった(2)自殺とアカハラには因果関係がある(3)大学は学生の自殺前、両親の相談に対処しなかった-との報告書を作成した。
 大学は16年10月、助教が研究室の複数の学生に長時間、説教をしたり、不機嫌な態度を示したりする行為を日常的に繰り返したとして停職1カ月の懲戒処分とした。処分の発表時、学生が自殺したことやアカハラ発覚の経緯は伏せられた。
 小山清人学長は「自殺に関しては個人情報保護の観点から非公表とした」と説明。報告書の指摘や大学側の責任の有無については「ノーコメント」とした。