出産前後の女性を心身両面でサポートする産前産後ケア施設「まんまるぽっと」と岩手県花巻市の官民連携が着実に成果を挙げている。市の委託事業とすることで低料金のサービスを実現。核家族化の進行で相談相手が少ない母親の悩みを受け止める場づくりが注目を集める。
 まんまるぽっとは、花巻市の助産師佐藤美代子さん(38)の自宅兼助産院を改装して昨年10月に開設した。佐藤さんら岩手県内の助産師を中心に結成した任意団体「まんまるママいわて」が運営に当たる。
 県内唯一の滞在型施設で、助産師、保健師ら6人のスタッフが対応。子どもと一緒に滞在し、授乳や育児の相談、昼寝、昼食、マッサージといったケアを受けられる。
 開設から2016年度末までの利用が29組だったのに対し、本年度は6月までに46組に急増。予約は半月先まで埋まる。
 こうした人気を支えるのが市の助成制度だ。
 本年度から市の委託事業になり、7回の利用まで助成が受けられるようになった。市在住の産後6カ月までの母子はデイサービス、ショートタイム、訪問相談を自己負担3000~1000円で利用できる。
 生後5カ月の次男を伴って2回目の利用という花巻市の主婦晴山智恵美さんは「家事と育児で一日はあっという間に過ぎ、夜もゆっくり眠れないのでありがたい。今の料金なら家族の理解も得やすい」とリラックスした表情で話す。
 県産婦人科医会の松田壮正会長は「産後の母親を受け止める場所があることは非常に大切で、需要も大きい」と話す一方「民間の力だけでの運営は経済的に難しい」と指摘。他の自治体でも同様の取り組みを進める必要性を強調する。
 佐藤さんは「自分の疲れに気付かず、精神的に追い込まれてしまう場合もある。悩みを受け止められる、実家と病院の間のような存在でありたい」と語る。
 連絡先はまんまるぽっと090(2981)1135。