南東北インターハイ第12日は8日、山形県西川町の月山湖カヌースプリント競技場などで6競技が行われ、カヌー男子のスプリント・カヤックフォア(500メートル)で中新田(宮城=今野、佐々木敬、佐々木誠、佐藤)、スプリント・カヤックペア(500メートル)で谷地B(山形=設楽勝太、小野隼人)、スプリント・カナディアンペア(500メートル)で谷地A(荒木岳樹、伊藤真大)が、それぞれ優勝した。
 カヌー女子のスプリント・カヤックフォア(500メートル)は谷地B(佐藤友、中村天、吉田、中村静)が制し、不来方(岩手=菊池、北舘、佐々木、鷹橋)が2位に入った。
 テニスの男子シングルスは菊地裕太(兵庫・相生学院)が初優勝。菊地は平川暉人と組んだダブルスも制し、団体と合わせて3冠を達成した。

◎中新田(宮城)V 会心スタート好敵手破る

 カヌー男子スプリント・カヤックフォア(500メートル)は中新田が6年ぶりの種目優勝を飾った。2位の強豪谷地Aとのタイム差は0秒779。ゴールラインを通過すると「よっしゃー」と歓喜の雄たけびが上がった。
 力強いこぎで勝負する中新田と、速いピッチが武器の谷地との戦いだった。中新田はスタートが決まり、そのままスピードに乗る。向かい風にも負けずにぐいぐいとこぎ、終盤はピッチを上げて全力で勝利をもぎ取った。
 「個々の力は谷地の方が上。波が高い中、水をつかむこぎ方ができた」(木村監督)。3年の今野主将は「スタートがどんぴしゃで決まった。優勝したいとは思っていたけど本当に優勝できるなんて」と喜びと驚きが入り交じった表情だった。
 メンバー全員が中新田中出身。中学、高校と鳴瀬川カヌーレーシング競技場で練習を重ねてきた。2年の佐々木敬は「先輩がレースを引っ張ってくれた」と感謝し、同学年の佐々木誠も「先輩の最後のインターハイで優勝できてうれしい」。1年の佐藤は「先輩たちが、足を引っ張る自分を支えてくれた」とチームの結束力の強さを強調した。
 9日は200メートルの各種目が始まる。今野主将は「500メートルの勢いに乗って200メートルでも優勝を取りに行く」と言い切った。ライバルは谷地。自信は願ってもない追い風だ。(岩崎泰之)

◎谷地(山形)3種目制す スプリント500 男女総合優勝へ好発進

 カヌースプリントの500メートルは、地元の強豪谷地がカヤックの男子ペアと女子フォア、カナディアンの男子ペアの3種目を制した。学校対抗得点で競う男女総合優勝に向け、好スタートを切った。
 男子カヤックペアは1年の2人が躍動した。スタートは出遅れたが、向かい風で波が高い状況を見て、水をしっかりつかむこぎ方でスピードを上げた。小野は「ラスト100メートルで勝利を確信した」。設楽勝は「終盤に地元の応援団の声援が聞こえて気持ちに余裕ができた」と振り返った。
 3年の佐藤友は女子カヤックシングル、ペア、フォアに出場し、3位、2位、1位の活躍。「シングルは風でバランスを崩してパドルが止まってしまい、ペアは僅差で敗れた」。9日に始まる200メートルも3種目に出る予定で「みんなでこぐフォアは特に優勝したい」と意気込む。
 全9種目で決勝に進出。層の厚さを見せつけた。芦野監督は「悪天候で転覆が相次ぐ中、選手は本当に頑張ってくれた」と評価する。序盤から速いピッチでスピードに乗る谷地にとって距離が短くなる200メートルは500メートルより有利。戸田主将は「男女総合優勝に向けて好発進。この流れを保って200メートルに臨みたい」と健闘を誓った。(岩崎泰之)

<不来方の北舘主将、2位に手応え>
 カヌー女子カヤックフォア(500メートル)は不来方が2位に輝いた。昨年大会の同種目を制している谷地には勝てなかったが、3年の北舘主将は「最後まで諦めずにこげた。悔しさよりうれしさの方が大きい」と笑顔を見せた。
 決勝は苦手のスタートにも成功し、中盤までトップに迫る勢いを見せた。不運だったのはラスト50メートル。スパートの直前、右から来た風で艇が左に傾き、体勢を立て直すためにパドルが一瞬止まり、勝負が決まってしまった。
 メンバーはみんな高校から競技を始めた。「3年の2人を中心とした明るいチーム」(小野監督)だ。
 北舘主将は2日前に高熱を出し、体調が整わない状況でチームを引っ張った。「他の大会も含め、まだ谷地には勝ってないけど、力の差は詰まってきている。200メートルでは勝ちます」と明るく宣言した。