山形大工学部(米沢市)の男子学生が2015年11月、指導教員の助教によるアカデミックハラスメント(アカハラ)を苦に自殺した問題で、真相究明に当たる第三者調査委員会が設けられるまで2カ月以上かかっていたことが9日、大学が設置した第三者調査委の報告書で分かった。
 調査委が設置されたのは16年1月。工学部と法人本部との間で設置主体を巡る混乱が生じていたほか、大学の顧問弁護士への連絡に手間取ったのが主な原因とされる。
 関係者の記憶が薄れないうちに迅速な調査が求められていただけに、報告書は「(学生の自殺から)2カ月たっても正式に調査委が決まらない事態は異常」と指摘した。
 大学の規程によると、学内でのハラスメント防止に関する研修、啓発事業や事案対応は主に学部・部局ごとに設置されるキャンパス・ハラスメント防止対策委員会が担う。ただ複数部局にまたがる事案などは全学的なキャンパス・ハラスメント特別対策委員会が対応するケースもある。
 事案に関する調査が必要となった場合は、防止対策委か特別対策委の下に調査委員会を置くことになっている。
 報告書によると、学生の自殺直後、両親は学部内での調査ではなく、独立性の高い委員による調査を求めたことなどから、工学部と法人本部との間で、防止対策委、特別対策委のどちらに調査委を設けるかを巡って混乱が生じたとみられる。
 さらに大学の顧問弁護士と長期間連絡が取れなかったことで、規程の解釈や外部委員による調査委の法的な位置付けの確認にも手間取った。
 報告書は16年1月上旬~4月下旬に行った学生や教員らへの聞き取りなどに基づき、同年6月10日付でまとめられた。