東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県を舞台にしたドキュメンタリー映画「一陽来復 Life Goes On」が完成し、撮影の協力者ら約30人を招いた試写会が8日、宮城県南三陸町の南三陸ホテル観洋で開かれた。

 2016年7月から10カ月間にわたり100人以上を撮影し、1時間21分の作品に仕上がった。石巻市で3人の子どもを亡くした夫婦や釜石市の鵜住居(うのすまい)虎舞の若手後継者、東京電力福島第1原発の30キロ圏内の福島県川内村でコメ作りを続ける農家ら、被災者の苦悩と前を向く姿を映した。
 出演者の一人で南三陸町のそろばん教室に通う奥田梨智ちゃん(6)は生まれる前、父親を津波で亡くした。梨智ちゃんと試写会を訪れた母の江利香さん(33)は「世界中からありがたい支援を受けた。子どもが成長した姿を見てほしい」と語った。同町からは、他にホテル観洋の語り部、カキ漁師、酒屋店主らが出演した。
 尹美亜監督(42)は「作品にたくさんの希望を詰め込んだ。世界に発信し、多くの人に被災地に訪れてもらえたらうれしい」と話した。
 映画は18年3月3日から、東京都のヒューマントラストシネマ有楽町など全国で順次公開される。映画製作は16年度の復興庁「心の支援」事業に採択され、約2000万円の補助を受けて進められた。