東日本大震災で被災した宮城県石巻市渡波地区から内陸の稲井地区に直接つながる幹線道路「渡波稲井線」が本格着工した。津波発生時の避難道路になり、緊急輸送路としての役割も期待される。
 渡波稲井線は両地区を南北に結ぶ市道で、全長約3.5キロ。石巻市は今回、未着工だった最後の約2.7キロの工事に着手し、幅15メートルの片側1車線の道路1.7キロや2本の橋計約310メートル、トンネル約700メートルなどを整備する。JR石巻線の上を通過する36メートルの陸橋工事はJR東日本に委託する方針。
 今回の事業費は53億4600万円で、復興交付金を活用する。2020年度の完成を目指す。残りの0.8キロは既に一部が使用されており、未完成部分も年度内に整備する計画で工事を進めている。
 全線がつながれば、津波被害に遭った旧北上川河口周辺の市中心部を経由せずに避難できる。三陸自動車道石巻女川インターチェンジへのアクセスも良くなり、石巻漁港周辺の物流網を強化できるという。
 9日に現地であった安全祈願祭には約80人が出席。亀山紘市長は「産業の推進や災害時の避難路の確保など期待される役割は大きい。一日も早く完成させたい」と語った。