岩手県遠野市出身で、台湾人類学の先駆者と称される伊能嘉矩(かのり)(1867~1925年)の生誕150年を記念した企画展が遠野市博物館で開かれている。11月23日まで。
 国立台湾大所蔵の資料34点を含む98点を展示。伊能が収集した先住民の写真やスケッチ、道具や衣服のほか、論文の原稿などが並ぶ。
 伊能は旧東京帝国大で人類学を学んだ後、日本統治下の台湾で1895年から10年間、先住民の研究に取り組んだ。現地調査に基づき9種族に分類するなどした成果は、国際的に高い評価を得ている。
 遠野に帰郷後は集大成となる大著「台湾文化志」を執筆。郷土史を研究する傍ら、後に「遠野物語」を著す柳田国男や佐々木喜善らと交流して影響を与えた。
 生誕150年を記念し市は、3月から学芸員らによる講座を開催してきた。8月20日には国立台湾大図書館との文化交流協定書締結式を行う。
 長谷川浩学芸員は「台湾から借りてきた資料はどれも貴重。展示を通して伊能の功績に触れ、隠れた郷土の偉人を知ってほしい」と呼び掛ける。
 国立台湾大の資料公開は第1期展示の9月24日まで。第2期展示は10月1日から。連絡先は遠野市博物館0198(62)2340。