特殊ボイラー製造販売業の「工藤」(青森県八戸市)は、廃棄アルミニウムを再生する溶融装置を開発し、今月発売した。燃料には廃棄されたタイヤを使用。コストが抑えられる上、新たな化石燃料をほとんど使わずアルミを再生できる。
 同社はタイヤをガス化して燃やす独自技術を持ち、一定の出力を保てるボイラー製造で45年の実績がある。新装置は850~1100度の火力を保ったまま廃棄アルミを溶かし、再生して製品化する。10分で10~15キロの生産が可能。
 大きさは高さ2.5メートル前後、幅2メートル前後、奥行き2.5~3.5メートルで、使用規模に合わせて大きさを選べる。価格は標準的な装置で1000万円程度。
 通常、アルミ再生処理の燃料は主にガスを使うが、廃棄タイヤはガスより安く、全体の費用は現在の1~2割に抑えられる見込み。
 廃棄アルミは鉄の部品と組み合わされた状態で捨てられ、人の手で分離する作業を伴うケースが多い。新装置はアルミと鉄の溶ける温度の差を利用し、一緒に投入しても高純度のアルミが取り出せる。
 新装置の活用で国内処理が増えれば、国外に流れた廃棄アルミの燃焼で発生する微小粒子状物質(PM2.5)の減少も期待できるという。
 同社はリサイクル業者の要望を受け、約1年前から装置開発に取り組んだ。工藤博常務は「業者が回収したアルミは他の施設で溶かしていたが、装置を使えば自前でやれ、利幅も増える。地産地消型のリサイクルにもつながる」と話した。