自民党現職の死去に伴う衆院3補欠選挙(10月10日告示、22日投開票)が告示まで1カ月に迫り、青森4区は自民、民進両党による対決の構図が固まった。県内の4小選挙区を独占する自民は、次期総選挙で適用される新区割りの候補者調整が難航。民進は野党共闘に慎重な前原誠司新代表の意向を測りかねており、共に不安要素を抱える。(報道部・馬場崇、青森総局・横川琴実、丹野大、茂木直人)

<候補の調整難航>
 自民は、7月に死去した現職木村太郎氏の弟で元県職員の次郎氏(49)に白羽の矢を立てた。弘前市を中心とする津軽地方の4区は太郎氏、父で衆院議員を経て知事となった守男氏、祖父文男氏と3代にわたる「木村家の地盤」。候補者選びについて県連は「木村家の意向が第一」(神山久志幹事長)としてきた。
 次郎氏擁立を決めた3日の県連緊急総務会。江渡聡徳会長は、八戸市が地盤の滝沢求参院議員(青森選挙区)に「選対本部長になったつもりで常駐するように」と指示し、「4区以外の県議も必ず応援に入ってほしい」と求めた。
 県連が一体感の醸成に腐心する背景には地域間の微妙な温度差がある。次期総選挙で、小選挙区定数が4から3に減る区割り再編が影響している。
 県都・青森市や大島理森衆院議長のお膝元・八戸市、江渡会長の地元・十和田市を含む青森1~3区は新1、2区に再編され、現職同士が競合する。一方で4区はほぼ影響を受けず、そのまま新3区となる。
 補選に合わせた解散総選挙の可能性も残る中、県連関係者は「候補者調整で頭がいっぱい。補選勝利は当然だが、津軽のことは津軽でやってくれ、との思いもある」と心中を明かす。

<政策理念を重視>
 民進は県連幹事長の元県議山内崇氏(62)が挑む。共産党などとの野党共闘に勝機を見いだすが、1日に就任した前原新代表の意向が行方を左右する。
 弘前市で8月23日にあった党代表選の東北ブロック討論会に臨んだ前原氏は「地域の事情を踏まえる」と共闘に一定の配慮は示したが、「衆院選は政権選択。政策理念の一致が不可欠だ」とくぎも刺した。
 野党共闘で勝利した昨年の参院選は、大票田の弘前市で自民候補の得票を上回った。田名部定男県連代表は「参院選で成功した流れを引き継ぎたい」と強調するが、別の県連幹部は「前原氏では共闘は厳しいだろう」と不安視する。
 パートナーとなる共産は新3区に独自候補を擁立する予定だが、畑中孝之県委員長は「他党と共闘を話し合いたい」と前向きな姿勢も示す。社民党県連幹部は「前原氏は代表になって、共闘に否定的なスタンスが若干変わったように感じる」と様子見を決め込む。
 政治団体「幸福実現党」の三国佑貴氏(32)も立候補を予定している。