第30回全国健康福祉祭「ねんりんピック秋田2017」が9~12日、秋田県で開かれる。東日本大震災の被災地のうち、宮城県気仙沼市古町、主婦星野一子さん(76)が監督兼選手を務める太極拳の「宮城県気仙沼チーム」が、秋田市立体育館で10日にある交流大会に出場する。星野さんは「震災で支援してくれた全国の人に元気になった姿を見てほしい」と意気込む。

 チームは、気仙沼武術太極拳協会に所属する気仙沼市や宮城県南三陸町の60~70代の女性7人。競技歴が30年以上の星野さんは協会副会長に就き、市内で教室を運営。2012年のねんりんピック宮城・仙台大会にも選手として出場した。
 震災で、メンバーのうち5人は自宅が全壊し、1人は半壊。仮設住宅での生活を余儀なくされた。星野さんは高台の自宅にいて被害は免れたものの、変わり果てた街の姿に言葉を失い、しばらく外出できなかった。練習場所が避難所となり、教室も開けなくなった。
 「体が駄目になると、心も駄目になる」。そう思った星野さんは12年1月、近くのコミュニティーセンターで教室を再開した。十数人の生徒が集まり、抱き合い、涙を流して再会を喜んだ。夢中で体を動かすと、つらい現実を少しでも忘れられるような気がした。「太極拳が心の支えになった」と星野さんは振り返る。
 太極拳の交流大会は監督1人と選手6~7人で構成され、全国の59チーム、415人が出場。24の主要動作で構成される「24式太極拳」を4分以内で集団演武し、協調性や姿勢・動作の正しさと美しさを競う。
 震災から間もなく6年半。仮設住宅に住んでいたメンバーも自宅を再建したり、災害公営住宅に移ったりし、少しずつ暮らしに落ち着きを取り戻しつつある。
 「太極拳の仲間と励まし合って震災を乗り越えてきた」と星野さん。「チームワークは日本一。楽しく全力で演じ、全国各地で災害に苦しむ人にもエールを送りたい」と語る。
   ◇   ◇
 ねんりんピックは秋田県内17市町村でスポーツと文化競技の計26種目を実施。1万人を超す60歳以上の選手の参加が予定されている。