メルシャン(東京)の代野照幸社長(56)は、仙台市内で河北新報社の取材に応じた。ワインの国内市場が拡大する中、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の大枠合意を追い風と捉え、国産の輸出と消費のさらなる拡大を目指す考えを明らかにした。(聞き手は報道部・北村早智里)

◎メルシャン 代野照幸社長/ワイン輸出 EPA追い風

 -ワイン市場の状況は。
 「ポリフェノール効果が注目されたことなどから、国内市場は10年で1.5倍に成長した。EPAが発効されれば、本場のワインがさらに安く手に入る。国産ワインの輸出もハードルが下がる。市場拡大の追い風になると期待している」
 -国産ワインの生産に力を入れている。
 「国産は繊細な味わいが特徴。主力商品『シャトー・メルシャン』は世界的なコンクールで賞を獲得した。5月に輸出を始めた香港でも高い評価を得ている」
 「近年、ヨーロッパ各国の料理が和食の影響を受けている。10年後、20年後には日本のワインが、ワインの本場で広く認められるようになるだろう」
 -国産ワインのブドウ産地のうち2カ所が、秋田県と福島県にある。
 「東北は冷涼で寒暖差があり、ブドウ栽培に適した土地が多い。これからの秋雨はブドウ栽培の敵だが、生産者の尽力で品質の高いブドウができている。今後、国産ワインの生産を増やす。必要なブドウの栽培を東北の他地域に広げることを前向きに検討している」
 -東北での戦略は。
 「全国的には輸入ワインの消費割合の方が高いが、産地のある東北は国産が人気だ。今年収穫する福島県会津美里町の新鶴産ブドウのみを使った白ワインを、11月に同県限定で発売する」
 「産地のある東北の皆さんにワインに親しんでもらいたい。ブドウ、ワインの生産に共に取り組み、地域活性化に貢献したい」