山形県は小規模多機能自治の核となる「地域運営組織」を形成するための手順書を作成し、県などのホームページ(HP)で公開している。先進例として注目を集める川西町吉島地区のNPO法人「きらりよしじまネットワーク」の設立過程、人材育成システムなどを詳述し、地域づくりのノウハウを伝授する。

 手順書は全58ページ。「きらり」が内容を監修し、同町の中間支援組織「おきたまネットワークサポートセンター」が編集を手掛けた。
 第1部は、吉島地区が各種団体の意思決定と会計を一本化し、2007年に全世帯加入の「きらり」を発足させた経過を紹介。住民説明会やワークショップを重ね、3年間かけて住民合意に至ったことなども明かした。
 組織体制や運営の仕組みも公開。自治、環境衛生、福祉、教育の4部会があり、事務局がそれぞれのマネジメントを担い、各種団体は部会ごとに、地区計画に沿った事業を展開する「よしじま方式」を説明した。
 第2部は「きらり」の取り組みを例に、(1)民主的な合意形成(2)若い力を担い手にする人材育成(3)外部資金を獲得する営業力(4)地域内外の企業との連携-など、地域運営組織の継続性に必要なポイントを解説した。
 人材育成では「若者推薦制度」を例示。自治公民館長が推薦した18~35歳の若者が2年間、教育部会の専門部員として地域自治に関わり、研修生、事務局員と「昇格」していくユニークなシステムを紹介した。
 手順書は、おきたまネットワークサポートセンターのHPにも掲載している。山形県市町村課の担当者は「地域運営組織のノウハウ集はあまり例がなく、全国から反響がある。ダウンロードし、多くの地域で役立ててほしい」と話す。

[小規模多機能自治]「地域運営組織」が司令塔となり、おおむね小学校区の範囲で、地域課題を解決する事業に取り組む住民自治。町内会、自治会、PTA、子ども会、老人クラブ、消防団など地域内のあらゆる団体が参画し、横断的に活動する。介護予防、子育て支援、自主防災、地域教育など取り組む事業は幅広い。島根県雲南市が全国に先駆けて取り組み、2006年に命名された。