東日本大震災は11日、発生から6年半を迎える。津波に耐え、地域のシンボルとなった南相馬市鹿島区の「かしまの一本松」は、被災地の時の流れを静かに見守ってきた。
 高さ約25メートル。3キロに及ぶ松林で唯一残った一本松を、地元は大事に世話をした。多くの見学者が訪れるようになり、津波が全てを奪った地域で人々の心をつないできた。夜、波の音しか聞こえない。輝く星が、一本松を照らし出す。
 枯れ果てた一本松は今冬、伐採される。周囲では復興工事が本格化する。震災の記憶を伝えてきた表象は姿を消すが、地元の守る会は「表札や楽器にしよう」と思案する。形は変わっても、一本松は復興への時を刻み続けるだろう。