福島県が医療関連産業の集積を目指し、昨年11月に福島県郡山市に開設した「ふくしま医療機器開発支援センター」の本年度収入見通しが当初想定の約3億円を大幅に下回り、現段階で約1600万円にとどまることが13日、分かった。県は実質の穴埋めのため、19日開会の県議会9月定例会に提出する補正予算案に関連費用約3億円を盛り込む。
 医療関連企業による利用を過大に見込んでいたのが要因。東京電力福島第1原発事故からの産業復興に向け、約134億円を投じたセンターは、実質初年度からつまずいた形で、県は運営計画の見直しを迫られることになった。
 センターは電波暗室や模擬手術室、生体試験用の豚の飼育設備などを備え、医療機器の安全性を評価する各種試験などを行う。一般財団法人「ふくしま医療機器産業推進機構」が指定管理者として管理運営を担っている。
 機構は本年度の運営費を約5億6000万円と設定。半額の約2億8000万円を県からの委託料で、残りを企業からの施設利用料や試験の受託費用などで賄う計画だった。
 実際には、これまでの実績がないことから利用企業は少なかった。豚1頭の利用料が約106万円の動物試験は今夏まで全く受注できなかった。支出額も想定より膨らむ見通しという。
 県は2018、19年度に支出予定だった機構への委託料を前倒しして穴埋めの約3億円に充てる。収入確保に向け企業への営業を継続。10月上旬に公認会計士や企業を交えた新たな組織を設置し、中長期的な経営改善策を年内にまとめる。
 医療関連産業集積推進室の清水彰一室長は「最新設備を過大評価し、営業努力を怠った。少しずつ実績を積むしかない」と話した。