◎出羽庄内森林組合職員 剣持翼さん(23)=山形=

 「愛顔(えがお)つなぐえひめ国体」が30日、愛媛県で開幕する。国体は「国民体育大会」の略。みんなの大会だから、五輪代表から腕に覚えのあるご近所さんまで、さまざまな選手が出場する。ちょっと気になる東北のアスリートを訪ねた。(岩崎泰之、佐藤夏樹)

 剣持さんは週に1度、林道の測量で山道を歩く。「自然と足腰が鍛えられる。体力が付く」。腕っぷしを生かして木を持ち上げることも? 「それはないです」
 拓大を卒業して、地元鶴岡市の出羽庄内森林組合に入った。実家は農業。自然と接する仕事をしたかった。林業がテーマの映画「WOOD JOB!(ウッジョブ)」の影響もあった。
 仕事は測量のほか、組合員への指導や販売する立木の調査など幅広い。平日は勤務後にスクワットやフォームのチェックを中心にトレーニングし、重いウエートを挙げるのは翌日が休みの土曜日と決めている。
 「仕事に影響が出ないようにしている。大学の時はむやみに練習していたが、今はメリハリを付けて集中して練習している」。気持ちは常に前向きだ。
 重量挙げの選手だった父親に勧められ、鶴岡工高で競技を始めた。「自己ベストを挙げられたときがうれしい」。3年で国体初出場。少年の部で2位に入った。大学時代にも3度出ており、5度目の今年は成年の部初入賞を狙う。
 重量挙げの世界で、国体は全日本選手権に次ぐ重要な大会に位置付けられている。個人の記録に加え、「県代表として県のために戦う。そういうイメージで練習する」のは国体ならではだろう。
 「組合の人から国体出場を『すごい』と言われると、改めてうれしいし、国体って知名度があるなと感じる」。林業をPRしたい組合幹部の期待も笑顔で受け止め、社会人として初の大会に臨む。