任期満了に伴う横手市長選は10月8日告示、15日投開票される。立候補を予定しているのは、ともに無所属で、再選を目指す現職の高橋大氏(41)と、前市長の五十嵐忠悦氏(70)。2013年の前回、接戦を繰り広げた両氏が立場を変えて再び争う公算が大きい。赤字の公共温泉施設の活用案をはじめ、両氏が掲げる政策が似通っていることもあり、市民の関心は期日が迫っても低調だ。(横手支局・目黒光彦)

 市営や市が出資する第三セクターなどによる公共温泉は9施設。いずれも05年に8市町村が合併した際に、市が旧町村から引き継いだ。15年度の利用者は計約74万人で、05年度の計約86万人から減少した。市は赤字を穴埋めするため、毎年度2億円前後を財政負担している。
 市は6施設を民間に譲渡する方針。残る市営3施設は民間への譲渡が困難なため、どう維持していくかが市政の課題の一つ。高橋氏は「市民の健康維持、福利厚生の観点から有効活用する」との方針を示す。五十嵐氏も「健康づくりの拠点にする」と主張し、大きな隔たりはない。
 旧横手市を含め市長を5期務めた五十嵐氏は在任中、防災拠点となる体育館の新設を計画した。今回は公約の柱の一つに据える。高橋氏も整備には前向きだ。
 前回の市長選は、旧横手市中心部が地盤の五十嵐氏と、当時の市政に不満を抱く旧町村部の後押しを受けた高橋氏の対決で、戦いの構図は鮮明だった。食を中心としたテーマパーク構想を打ち出した五十嵐氏に対して、高橋氏は「採算性に疑問がある」などと見直しを求めたこともあり、政策面でも違いがあった。
 今回は、高橋氏が企業誘致などの実績と若さを前面に出して「横手市を後戻りさせてはならない」と訴える一方、五十嵐氏は高橋氏の市政運営を「場当たり的で十分な協議、検討をしないまま議案を提出している」と批判する。ただ、旧市と旧町村のあつれきや明確な争点が浮上していない点で前回とは異なり、告示前の盛り上がりを欠く要因になっている。
 前回の投票率は68.72%。今回、衆院選公示後の11~14日は市長選と同日程の市議選、衆院選の期日前投票を一度に済ませることができる。期日前投票が増えて投票率を押し上げた場合、若年層の投票行動が選挙結果を左右するとの見方がある。