ひきこもりや不登校などに悩む人たちの居場所が秋田県大仙市大曲にある。「ワンコイン・カフェ ふらっと」。2013年に設立されたカフェは2年前まで1回500円、今は無料で気軽に利用できる。代表のロザリン・ヨンさん(41)は利用者の声に耳を傾け、夢や目標に向けて歩み出すための後押しをしている。(秋田総局・鈴木俊平)

◎「ワンコイン・カフェ ふらっと」代表 ロザリン・ヨンさん(41)

 -「ふらっと」はどんな場所ですか。
 「ひきこもりや不登校の人たちが、お互いの立場を認め合い、flat(同じ)な視線で交流できる場です。週5日開いており、お茶や趣味を楽しみながら自由に過ごしています」
 「8人のスタッフはひきこもりなどの経験者で、利用者の悩みや相談に応じています。趣味や特技を生かしてギターや編み物などの教室も開いています」

 -設立のきっかけは。
 「大学院で学んでいた2010年、精神保健の研究のため訪れた秋田市で、ひきこもりの人に出会ったことです。親交を深めるにつれて、趣味などを一緒に楽しみたいと思いました。学んだことを生かして当事者を支援しようと13年、日本への移住を決意しました」

 -支援に大切なことは何ですか。
 「本人が言葉にならない思いを打ち明け、心が安定できる場所が必要です。現状から早く立ち直ろうと焦ってしまったり、薬に依存してしまったりすれば、むしろ回復は遅れます。自立を望む家族との間に溝ができるケースも多く、周囲の理解は不可欠です」

 -ひきこもりや不登校の人たちの受け皿は整っていますか。
 「足りないのが現状です。相談機関を増やしても、周囲の目を気にして利用をためらう当事者は多いです。行政機関は支援員が定期的に入れ替わり、せっかく築いた信頼関係が崩れてしまうこともあります」
 「最近は、自宅の一部をサロンとして開放するなど民間主体の動きが目立ってきました。行政や医療機関と連携し、切れ目のない支援を展開するのが大切です。地域の理解が深まれば、支援の輪も広がっていきます」

 -今後の活動予定は。
 「『ホームスクール(在宅教育)』のような場をつくりたいと思っています。子どもたちが敷かれたレールを歩くのではなく、『当たり前』に縛られずに個性や特技を生かして目標に向かっていける環境が理想。いろいろな生き方を後押しできる場所にしたいです」