サンマの記録的不漁を受けて岩手県の老舗食品加工会社「岩手缶詰」(釜石市)は4日までに、宮古工場(宮古市)の操業を11月末で休止することを決めた。原料となるサンマの価格高騰で採算が維持できなくなった。従業員88人のうち地元採用の76人は解雇する。
 宮古工場は、サンマのかば焼きや水煮の缶詰を専門に製造し、大手メーカーに卸してきた。だが、原料調達や採算確保が困難となり、本年度の製造量は9月末現在、1616トンで前年同期(2189トン)を下回っていた。
 国内の今年のサンマ漁獲は、2年連続で過去最低を記録した2015、16年をさらに下回る不漁が見込まれる。岩手県では浜値(9月)が1キロ当たり430円(過去10年の平均は143円)と高騰していた。
 岩手缶詰は1941年に創業し、釜石市、大船渡市など6カ所に工場を展開する。創業と同時に設立された宮古工場の業務は、盛岡工場が引き継ぐ。
 岩手缶詰総務グループの藤原裕一次長は「メーカーから仕事をもらう立場では、製品への価格転嫁にも限界がある。従業員の再就職には全力を尽くしたい」と話した。