◎2017年9月1日~30日

【9月】
5日 東京電力福島第1原発の「H3エリア」にある汚染水をためる組み立て型のフランジタンク11基の解体・撤去が完了。333基あったフランジタンクのうち、149基の撤去が終わった。
8日 フランジタンクの解体作業に従事した協力会社の30代男性作業員が微量の内部被ばくした。全面マスクを外す際、放射性物質が付いた手で顔を触ったのが原因とみられる。推定の被ばく量は今後50年間で0.01ミリシーベルト。
14日 構内を走る車両用の給油所が完成。地下タンクの容量は軽油が60キロリットル、ガソリンが30キロリットルで、保管容量は従来の簡易設備(軽油、ガソリン各600リットル)と比べ大幅に増えた。
19日 建屋内の汚染水を浄化するRO循環設備(淡水化装置)の配管接続部から汚染水0.65トンが堰(せき)内に漏えいした。
26日 政府が第1原発の廃炉に向けた中長期ロードマップ(工程表)を改定した。溶融燃料(燃料デブリ)の回収工法確定と最初に取り出す号機の決定時期を1年程度先送りし、2019年度中とすることを正式決定。1、2号機の使用済み核燃料の搬出開始も3年遅らせて「23年度をめど」とした。
28日 1~4号機の建屋周辺の井戸「サブドレン」の水位設定を誤り、4月以降に新設した6カ所で、建屋滞留水の水位を下回っていた可能性があると東電が発表した。その後の調査で、1カ所で水位の逆転が実際に起きていることが判明した。

◎8月にもトラブル 掘削工事で水位が急激に低下

Q 東京電力福島第1原発1~4号機の建屋周辺の井戸「サブドレン」のうち、6基の水位がこれまで測定していた水位より実際は70センチ低かったことが判明した。
A 井戸は、汚染水の発生量を減らすため、建屋に流れ込む前の地下水をくみ上げるのが目的。42基のうち、4月以降に増設した6基で水位の基準値を誤って設定していた。

Q 設定ミスはなぜ起きた。
A 第1原発の敷地は東日本大震災で70センチ地盤沈下した。本来は震災後の海水面の高さを基準にしなければならないのに、震災前の基準で水位を設定してしまった。新たな井戸の掘削工事をしていた担当者が9月28日に誤設定に気付いた。

Q 井戸の水位が建屋滞留水の水位より低くなると、汚染水が地中に漏れ出す恐れがある。
A 井戸の水位は建屋滞留水より約80センチ高く保つよう管理されている。その後の調査で、6基のうち1基が5月17~21日に、計8回の水位逆転があったことが分かった。水位差は2~19ミリ。逆転があった井戸は建屋から53メートル離れており、東電は汚染水が漏れた可能性は低いとみている。

Q サブドレンを巡っては、8月にも掘削工事で水位が急激に低下するトラブルが起きた。経済産業省が9月29日に福島市で開いた廃炉に関する会議では、地元関係者から東電に対する批判が相次いだ。
A 福島県の鈴木正晃副知事は「水位は厳密な管理が求められているのに、チェックできなかったのは遺憾だ」と苦言。廃炉に関し技術的な助言を行う原子力損害賠償・廃炉等支援機構の山名元・理事長は「東電は品質保証を行うための組織としての仕組みがいまだにできていない」と指摘した。