ノーベル物理学賞の受賞が3日決まったカリフォルニア工科大のバリ-・バリッシュ名誉教授(81)は、岩手、宮城両県にまたがる北上山地で建設計画が進む超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の国際共同設計チームの責任者を務めた。東北のILC関係者は受賞で計画実現に弾みがつくと期待する。
 「『ノーベル賞受賞者が率いていたILC計画』と価値が高まる。実現に向けて波に乗っていける」
 チームの物理・測定器部門ディレクターを昨年まで務めた東北大大学院理学研究科の山本均教授(素粒子実験)は声を弾ませる。
 山本氏はカリフォルニア工科大大学院でバリッシュ氏に指導を仰ぎ、個人的にも親しい。「計画実現を強くプッシュしてもらえるはずだ」と強調した。
 北上山地への誘致活動を続ける岩手県の大平尚・企画理事は2012年1月、バリッシュ氏を建設候補地に案内した。「好適地とお墨付きをもらった。受賞でバリッシュさんの発信力が高まると思う」と歓迎した。
 ILCの建設には1兆円近い費用が必要。半額を負担する日本政府は実現の可否を決めかね、判断は18年になるとみられる。
 ILC誘致に取り組む東北経済連合会の海輪誠会長は「重力波検出の功績はILCが目指す宇宙誕生の謎の解明につながるもので、今回の受賞でILC実現の機運は高まる。誘致の早期決定に向け、政府などへの働き掛けを続けたい」との談話を出した。