衆院選で定数1減の青森県で、八戸、十和田、三沢市などで構成される新たな2区の自民党関係者の思いが複雑に交錯している。八戸市出身の前衆院議長大島理森氏(71)が選挙区の候補者として決定し、再び八戸市などと同じ選挙区に戻った五戸町では「また大島氏を応援できる」と歓迎。一方、比例代表東北ブロックの候補に回った前議員で党県連会長の江渡聡徳氏(61)の出身地・十和田市の支持者らは「残念」との思いも抱える。

 「おかえりなさいという気持ちです」。五戸町で2日に開かれた大島氏の国政報告会で、あいさつに立った川崎七保・党五戸町支部長が、大島氏を出迎えた。
 五戸町は選挙区の変更が続いている。2012年衆院選は八戸市と三戸郡による旧3区だったが、前回の14年衆院選で1町だけ旧2区に編入。今回の区割り改定で、再び八戸市や三戸郡と同じ選挙区になった。
 報告会に参加した農業男性(63)は「本当にうれしい。地域の人も張り切って応援する」と喜ぶ。川崎支部長も「衆院選初挑戦で落選した時から大島氏を応援してきた。また名前を書ける機会ができた」と言う。
 一方、小選挙区が導入された1996年10月の衆院選から約20年にわたり江渡氏を応援してきた十和田市の関係者には戸惑いもある。地元の議員ながら、今回は選挙区で江渡氏の名前を書けなくなるからだ。
 そのため、新2区で開かれる集会などに大島氏と江渡氏が一緒に出席し、結束を強調。比例での江渡氏の当選とともに、中選挙区以来となる十和田市での大島氏の支援を訴える。
 十和田市内で4日、大島氏も出席して江渡氏の後援会事務所開きがあった。小山田富弥連合後援会長は「強固な地盤を築いてきたが、残念無念ながら比例出馬になってしまった」と語り、「江渡氏の7期当選と大島氏のまたの当選に向け、後援会一丸となって戦いたい」と呼び掛けた。
 「苦渋以上の悩みが(江渡)県連会長にはあった。その結果の決断に、ただただ頭が下がる」と大島氏。その上で「志を引き継ぎ、今後とも(江渡)代議士と力を合わせて頑張っていく」と決意を表明した。
 参加した女性(80)は「残念だが、本人が一番、苦渋の決断をしたと思うので、決定の通りに応援したい」と気持ちを切り替える。
 2区ではほかに、ともに新人で希望の党の工藤武司氏(45)、共産党の奥本菜保巳氏(57)が立候補を予定している。