10日公示の衆院選は、22日の投開票に向け、前哨戦が熱を帯びる。前回2014年は、自民党が東北25小選挙区のうち19を制し圧勝。選挙区が23に減った今回、新党「希望の党」の出現で構図は書き換わった。危機感を抱く自民に、共闘の枠組みが一変した野党がどう攻め込むか。東北各県の決戦の焦点を見る。
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 全3選挙区で自民と希望が激突する。強固な組織力を持つ自民に対し、希望が風を起こし、浮動票をさらえるかどうかが焦点。
 自民は全選挙区に前議員を立てる。1区は3選を狙う前議員が着々と地盤を固める。秋田市で1日あった事務所開きには石破茂元党幹事長が駆け付けた。希望を「どれだけの風になるのかが読めない」と警戒する。
 2区、3区の前議員はともに強固な地盤を抱え、県議や市議らと組織戦を展開する。ここに来て、希望の出現や内閣支持率の下落など不安定要素が表れ、加藤鉱一県連幹事長は「政権復帰して以来の厳しい選挙だ」と危機感を募らせる。

 希望は1区に元参院議員を擁立する。急転直下の決定に出遅れ感は否めず、民進県連内には唐突感を抱く幹部も少なくない。1区から立候補を予定していた民進系前議員(比例東北)は、希望の比例単独候補に決定。公認が決まった3日の記者会見で「正直わだかまりがある」と複雑な胸中をのぞかせた。両者の連携の成否が鍵になる。
 2区は新人、3区は前回比例復活した前議員を立てる。3区は自民前議員と5度目の対決。民進県連の沼谷純代表は「地方は風頼みでは勝負できない。無党派層などの新たな票を掘り起こし、しっかりと戦い抜く」と気を引き締める。

 共産は1~3区に新人を擁立する。いずれも安保法制の廃止や憲法改正反対を訴える。米田吉正県委員長は「現在の政権に疑問を持つ層に広く訴える」と、市民や他党支持層を取り込み護憲派の結集を目指す考え。
 焦点の一つになりそうなのが、自主投票を決めた社民党の票だ。自民陣営の幹部は「希望に行くのか、共産に行くのかで、影響は違ってくる」と気をもむ。

◎小選挙区立候補予定者
 【1 区】 (3)
冨樫 博之62 前総務政務官 自前(2)(公推)
松浦 大悟48 元参院議員  希新 
斉藤 大悟38 党県常任委員 共新 
 【2 区】 (3)
金田 勝年68 前法相    自前(3)(公推)
緑川 貴士32 党幹事    希新 
藤本 友里38 党県准委員  共新 
 【3 区】 (3)
御法川信英53 元財務副大臣 自前(4)(公推)
村岡 敏英57 党幹事    希前(2)
冨岡  昭67 党県書記長  共新