戦後日本に価値観の転換を迫った東日本大震災を踏まえ、次世代に引き継ぎたい東北像を探るフォーラム「東北の道しるべin青森」(河北新報社主催)が7日、青森市の青森中央学院大であった。

 テーマは「『2枚目の名刺』を持とう」。河北新報社が創刊120年の節目に発表した「東北の道しるべ」6項目の一つで、住民が公的な役割を担い、地域を維持する方策を議論した。
 仙台市のNPO法人「ファザーリング・ジャパン東北」事務局長の工藤賢司氏(43)が「仕事と生活に活躍の場を~『2枚目の名刺』をつくる方法」と題して基調講演。「生活を維持する仕事を持った上で、自分の好きなこと、生きがいになることに活動を広げれば、世の中を明るくする働き方ができる」と提案した。
 パネル討論で、弘前市職員の佐々木絵理氏(27)はワークショップの議論をイラストで記録する「ファシリテーション・グラフィック」の描き手としての活動を紹介した。「住民を深い議論に導ける。楽しみながら地域の役に立てることがやりがいだ」と語った。
 八戸市の市民集団「まちぐみ」組長の山本耕一郎氏(48)は、住民がそれぞれ特技を生かし、地域づくりに参画するまちぐみの仕組みを説明。「『この部分は自分が関わった』と感じてもらうことが大切。居心地の良い場をつくることを意識している」と述べた。
 地域経営論が専門の青森中央学院大准教授の佐藤淳氏(49)は「人口減少が続く地方で、みんなが隠れた力を出し切り、総力戦で戦うことが『2枚目の名刺』の意義だ」と解説した。
 フォーラムは今年4月の仙台開催に続き2回目。東北6県を2年がかりで巡回する予定で、毎回「東北の道しるべ」の中からテーマを選び、講演や討論を通じて次世代に引き継ぎたい東北像を探る。(詳報を15日の朝刊に掲載します)