福島地裁の10日の判決に対する原告の思いは複雑だ。相馬市の志賀勝明さん(69)は「原発を『安全』と言っていた国の責任が認められるのはごく当たり前」と受け止めた。
 南相馬市小高区で漁業を営んでいたが、事故で「先祖代々の土地を追い出された」。40年ほど前には、福島県内の原発の設置取り消しを求めた訴訟の原告団にも加わった。「(危険性を唱えた)当時の訴えが通じた」と語った。
 「うれしいが悔しい」。郡山市の団体職員渡辺スミ江さん(69)は二つの感情を整理できなかった。放射線への不安から「子どもが土いじりなどをできなくなった」と話し、空間放射線量の低減による原状回復が認められず、無念さを募らせた。
 賠償の対象外とされた地域の原告からは憤りの声も。会津若松市の自営業星明美さん(74)は「国や東電には何もしてもらえなかった。怒りは収まらない」と語気を強めた。