衆院選は10日公示され、東北の小選挙区で各候補が舌戦をスタートさせた。自民党が「急ごしらえの党に政権は任せられない」と野党をけん制すれば、希望の党は「安倍1強ストップ」と応酬し、政権交代を訴えた。共産、立憲民主両党などの候補は「改憲阻止」と護憲の必要性を強調。三つどもえの論戦の火花が秋空に散った。

<自・公/景気回復 地方に>

 「国内外に課題が山積する中、にわか仕立ての政権に国のかじ取りを任せることは絶対にできない」
 希望元議員と一騎打ちとなった岩手2区の自民前議員は宮古市で、発足したばかりの希望を痛烈に批判した。「顔触れを見てほしい。経済、外交がズタズタだった民主党政権を担った人たちだ」と声高に叫んだ。
 東京都知事が代表を務める希望への対抗心をむき出しにしたのは、山形3区の自民前議員。鶴岡市で「都市型の政党に負けていられない」と声をからし「地域に根差した自民党が今、ここで頑張らないといけない」と訴えた。
 青森1区の自民前議員は青森市で経済政策に触れ、「景気の状況は着実に変わりつつある。地方に実感を届けていく」とアベノミクスの継続を主張。「必要なのは政治の安定だ」と自公政権への支持を求めた。

<希・維/1強は圧力政治>

 「1強政治は圧力の政治。独り善がりの世の中ができてしまう」と政権への攻勢を強めたのは山形2区の希望前議員。「森友・加計(かけ)学園問題はうやむやなままだ」と衆院解散の大義に切り込みながら、「アベノミクスで格差が拡大した。生活、子育て、地域に安心を取り戻すため、新しい政治の流れをつくらなければならない」と声を上げた。
 過疎が深刻化する秋田3区では、希望前議員が由利本荘市で「国は十分な人口減対策をしていない」とし、「しがらみのない党が地方分権を実行することで地方に活力が生まれ、日本全体の発展につながる」と政権交代を訴えた。
 青森3区の希望新人は与党の農政を「補助金政治」と批判。「戸別所得補償制度によって農家の経営と収入の安定を図り、農家の創意工夫や自主性を生かすべきだ」と力を込めた。

<共・立・社/隠蔽体質許さぬ>

 「憲法9条は絶対に変えてはいけない」と秋田市で主張を展開したのは、秋田1区の共産新人。自公政権だけでなく、改憲論議を公約に掲げる希望にも矛先を向け「安倍政権を倒して希望が伸びたとしても、第2の安倍政権が誕生するようなものだ」と護憲の必要性を指摘した。
 宮城1区の立憲民主新人は仙台市で「お友達優遇政治、隠蔽(いんぺい)体質は許さない。市民の力で民主主義を取り戻す」と強調した。民進公認で立候補予定だったが、合流した希望が別の候補を擁立した。「気に入らない人間を『排除』する党に政権は任せられない。命や平和、暮らしを守る政治を実現する」と訴えた。
 宮城5区の民進系無所属の前議員は石巻市で「安倍政治は上から目線」と糾弾。民進に身を置いた立場から「私は希望、立憲民主、無所属から立った仲間にも助太刀する」と語った。