原子力規制委員会は11日、日本原燃が建設中の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の新規制基準への適合性審査の休止を決めた。同工場や原燃が運営する別の施設で、設備の点検漏れを背景とした保安規定違反が相次いだため。原燃が目指す2018年度上期の再処理工場完成は大幅に遅れることが確実となった。
 規制委が適合性審査の休止を決めるのは異例。原燃は年内をめどに再発防止策を講じ未点検の機器がないか総点検する方針だが、審査再開の時期は不透明だ。
 規制委は同日の定例会合で、再処理工場の建屋で昨年8月以降に相次いだ雨水流入と、同社のウラン濃縮工場(六ケ所村)で排気ダクトに穴やさびが複数見つかった問題を保安規定違反と断定した。
 長年にわたる機器の点検漏れがあったほか、点検者が雨水漏れの痕跡がある現場写真を撮ったにもかかわらず「問題なし」と報告したケースもあった。
 原燃の施設では、昨年12月にも品質保証を巡る保安規定違反が発覚するなど安全上の問題が相次いで発覚。委員からは「類似のトラブルが多発しているのに依然として改善が見られない」「びっくりするような問題がたくさんある」など批判の声が上がった。
 出席した原燃の工藤健二社長は「重要施設を長期にわたって管理できていない非常に重要な問題だ」と陳謝。再処理工場の完工目標達成は「厳しい」との認識を改めて示した。
 原燃は14年1月に再処理工場の審査を申請。規制委による審査は今年3月に重要課題の確認を終え最終段階に入るとみられたが、トラブル多発で状況は一変した。