区割り改定で、今回の衆院選から青森1区に編入された青森市浪岡地区(旧浪岡町)の有権者に戸惑いが広がっている。旧4区補選が実施されるはずが、突然の衆院解散で新しい区割りが適用され、候補者の顔触れが一変。「候補者の顔と名前が一致しない」「旧青森市の住民の意向で選挙結果が決まってしまう」などと悲嘆の声も漏れてくる。
 2005年に青森市と合併した浪岡地区は、衆院選の小選挙区では弘前市を中心とした旧4区に含まれてきた。旧4区では自民党の元衆院議員木村太郎氏の死去に伴う補選が10月に行われる予定だったが、衆院解散で総選挙に統合された。
 新しい区割りで浪岡地区は1区に編入され、青森市域内での分割状態は解消。その半面、大部分が3区に移行した旧4区内で唯一、1区に移り、解散劇に翻弄された格好だ。1区では自民党前議員の津島淳(51)、共産党新人の赤平勇人(27)、希望の党新人の升田世喜男(60)の3候補が舌戦を繰り広げている。
 地区には「津島氏を応援したい」(50代主婦)との声がある一方、「(3区に立候補した)故木村氏の弟次郎氏に投票するつもりだった」(60代自営業男性)と残念がる声があるのも事実だ。「浪岡地区には、自民党組織よりも木村氏個人を応援する人も多い。地方議員時代に木村家と結び付きが強かった升田氏に票を入れる人もいるだろう」と推測する自民関係者さえいる。
 加えて「1区の候補者の顔が浮かばない」「誰に投票すればいいか分からない」という困惑や、青森市全体に占める有権者数の少なさへの嘆きもある。浪岡地区の有権者数は青森市全体の6%程度の1万5709人。60代無職男性は「浪岡の有権者が動向に影響を及ぼすことはないだろう。周囲の関心も下がっているようだ」と冷ややかだ。