山形県内には東北最古となる1892年創業の「酒井ワイナリー」(南陽市)をはじめ、村山、置賜、庄内地域に東北最多の計14ワイナリーがある。新表示基準の導入を受けて、タケダワイナリーのほか8社が、地名を表記した表示の見直しや商品名変更などの対応を決めたり、検討したりしている。
 対応が早かったのは朝日町ワイン(朝日町)で、9月1日に定番商品「朝日町ワイン」などのリニューアルに乗り出した。社名は表示基準の制約を受けないため、商品名に有限会社を示す(有)を加えてラベルを一新し、販売を続ける。
 検討中は7社。多くは商品名とラベルのデザインの変更を模索している。高畠ワイナリー(高畠町)のように「一部のワインはラベルをそのままに、高畠産の比率を高める方法を検討している」という醸造所も。
 生産量が多い事業者ほど、地元産の原料の確保に苦慮している傾向がある。村山地域のワイナリー関係者は「農家の担い手不足や畑の鳥獣被害に加え、他県からの引き合いも多い。地元のブドウを確保するのは今後、ますます厳しくなるだろう」と危惧する。
 5社は新基準の影響を受けず、いずれも地元産の比率が85%以上か、ラベルに地名のない商品を販売している。
 中にはラベル表記の厳格化を商機と捉える事業者もいる。東根フルーツワイン(東根市)の担当者は「原料は東根産100%だが、現在は商品に産地名を付けていない。地名を入れた商品の開発など新基準の活用策を考えていきたい」と話す。

        ◇        ◇        ◇

 タケダワイナリー(上山市)は、ロングセラー商品「蔵王スター」の販売を、2016年に仕込んだワインと17年の限定商品でいったん終了することを決めた。表ラベルに表記できる地名について、国税庁が新たに定めた基準に対応する措置。来春からは、後継のワインを販売する。
 新たな基準は18年10月に完全施行される。表ラベルにワインの産地として地名を表記できるのは、原料のブドウを85%以上収穫した地域で醸造した商品に限られる。