福島県は8日、東京電力福島第1原発事故後に続ける県産米を対象にした放射性物質濃度の全量全袋検査の方向性について、消費者や生産者らの意見聴取結果を公表した。より効率的な方法の検討や、方法を変更する場合の丁寧な説明の必要性が浮き彫りになった。県は本年度中に来年産以降の対応を示す方針。

 意見聴取は首都圏などの消費者2070人、県内の生産者325人、有識者11人、全国の卸売り7社と量販店8社などに実施。自治体や農協関係者の意見交換会も県内7地域で開催した。
 消費者は検査自体を「全く知らなかった」が71%を占めた。今後は「段階的に縮小すべきだ」が35%で最も多く、「継続すべきだ」が32%、「あと数年継続すべきだ」が23%で続いた。
 生産者(法人を含む)は「継続すべきだ」が41%に上った。他は「一部地域ではより効率的な検査に移行」が23%、「県内全域で移行」が17%、「検査は必要ない」が13%だった。
 卸売業者は「検査の継続が特別視され、不安要素になっている」「変えるなら早めの連絡が大事」と指摘。量販店は「リスク回避のためには継続がありがたい」「信頼関係があり、見直しても影響はない」などと考えが分かれた。
 有識者からは「科学的知見や費用対効果から見直すべきだ」「(見直しには)時間をかけた説明が必要」といった意見が出た。
 聴取結果は8日、県が福島市であった関係団体などによる検討会合で示した。非公開の協議では「原発事故から10年は一つの節目」「(避難区域などを含む)被災12市町村は別の枠組みで考えるべきだ」といった声が多かった。
 終了後、県の担当者は意見聴取結果について「全量全袋検査を『永久的に続けるべきだ』との意見は少ないと受け止めている。ただ来年産から検査を一斉にやめることはない」と説明した。