内堀雅雄福島県知事は12日で1期目の任期残り1年となるのを前に、河北新報社のインタビューに答えた。東京電力福島第1原発事故からの復興へ「やるべきことがまだまだある」と強調。2期目への意欲をにじませつつ「風評対策や産業再生など目前の課題解決に全力を尽くす」と語った。(聞き手は福島総局・阿部真紀)

 -3年間の成果は。
 「国内外に県産品の安全性や魅力を発信するトップセールスを積極的に展開し、輸出拡大や輸入規制緩和につなげた。福島復興再生特別措置法の改正で(浜通り地方に新産業を集積する)イノベーション・コースト構想も大きく動き始め、東北中央自動車道の整備も進んでいる」

 -避難指示解除も各地で進んだ。
 「(解除に向けて)インフラ整備も進んだが、帰還率は数%という状況。地元での再開を控える学校への通学希望者は非常に少ない。大事な一歩は踏み出したが、まだまだこれからだ」
 「残る帰還困難区域は自治体の案を尊重しながら(国が除染などを進める)復興拠点を設定し、戻れる区域があると示すことが重要。今後の数年間でしっかり形をつくる」

 -風評被害の実感は。
 「年々改善している。ただ、県産品が以前のように(全国の店舗に)並んではいない。どう棚を取り戻し、下がった価格を適正にするか、努力を続ける必要がある」

 -原発被災地の人口減や医療・介護人材の不足が深刻化している。
 「住んでいる人に住み良さを実感してもらい、福島で生まれ育つ子どもを増やし、他県からの移住も促すことが大切だ。今は若い世代が農業や地域おこし協力隊への参加などをきっかけに入ってきてくれている。彼らが定着し、子育てするプロセスをつくる取り組みを講じたい」
 「医療・介護人材の確保では就学準備金の貸与など財政的支援が大事。2021年には県立医大に理学療法士を育成する新学部を設置する。国の合意も得て手厚い支援でやっていく」

 -政治家としての3年間を振り返り、改めて思うことは。
 「格好付けず、飛び込んで一生懸命やる。それしかない。不器用でもいいから真っすぐぶつかる姿勢を大切にしたい。福島の復興は残念ながら長い戦いになる。直面する課題に挑戦し続け、福島の未来を描く取り組みを積み重ねたい」