福島市長選は19日の投開票に向け、いずれも無所属の現職と新人3人の計4人が舌戦を繰り広げる。東京電力福島第1原発事故からの復興けん引や人口減対策など、県都が担う役割は大きい。立候補者4氏の訴えなどを紹介する。

◎成長産業 集積目指す/小林香さん(58)=無現=

 1期目は原発事故からの復興に注力し、住宅除染や廃棄物の仮置き場建設を進めた。「住民の安心感を一番に考えた」と振り返る。
 同時に取り組んだのが中核市移行。来年4月の実現へ「道筋をつけた」と胸を張る。県内の他自治体と争った福島大の農学系新学部誘致も決まった。ただ「いずれも具体化はこれからの4年間に懸かる」と語り、再選への熱意を示す。
 高速道路網の整備と合わせた企業誘致も目指す。ターゲットに入れるのは「医療系」。「メディカルバレーを形成する。(復興には)成長産業の集積が欠かせない」などと唱える。
 オペラ鑑賞が休日の息抜き。妻(53)と子ども2人を都内に残し、福島市の自宅に1人暮らし。

[こばやし・かおる]伊達市出身、英サセックス大修士課程修了。88年旧大蔵省(現財務省)入りし、09年環境省東北環境事務所長、13年同省大臣官房付。13年に市長に初当選。

◎教育制度を変えたい/法井太閤さん(72)=無新=

 今年8月、内臓の病気で一時、心肺停止状態に陥った。一命を取り留めて思った。「神様が『もうちょっと何かやれ』と俺を起こしたのだ」。3度目となる市長選への挑戦を決意した。
 両親が教員の家庭で育ち、自身は40年にわたり保育園を経営。月5万円の子育て給付金などを公約に掲げる。「ばらまきではない。教育制度を変えて福島を人口50万の都市にする」
 過去2回と同様、「金のかからない選挙」を実践する。今回の予算は15万円ほど。「絶対に当選し、金をかけなくても勝てることを証明したい」
 誕生日が豊臣秀吉の命日に当たることから、20歳の時から「太閤」を名乗る。妻(57)、三男、次女との4人暮らし。

[のりい・たいこう]福島市出身、東京国際大卒。会社員、塾経営などを経て78年からエミール幼児園経営。97年、05年の市長選に立候補し落選。本名は宣弘(のぶひろ)。

◎復興創生へ県都から/木幡浩さん(57)=無新・社支=

 前職は復興庁福島復興局長。福島県の復興を支える官僚の立場を辞して立候補した。「復興創生を新ステージに進めるため、県都が引っ張らなければならない」と力を込める。
 旧自治省(現総務省)入りし、岡山県副知事などを務め、「現場型」を自負する。福島市の良さを「花見山など市民手作りの魅力が多い」と説明。JR福島駅前活性化などの課題にも「市民と共に一石三鳥の政策を実現したい」と語る。
 原発事故から6年8カ月。「次は(事故から)10年を迎える大事な4年間」。福島市らしい産業振興へ「果物の加工場集積」も提案する。
 学生時代は野球やラグビー、今はランニングなどに汗を流す。福島市の自宅で妻(56)と2人暮らし。

[こはた・ひろし]福島県飯舘村出身、東大卒。84年旧自治省(現総務省)に入り、岡山県副知事、消防大学校長などを歴任。16年6月から17年7月まで復興庁福島復興局長。

◎女性の視点を市政に/桜田葉子さん(60)=無新=

 桜を連想させるピンクがシンボルカラー。「ピンクのスーツは100着以上。華やかで明るく元気が出る」と笑顔を見せる。
 父、祖父ともに福島市議を務めた。「自宅に陳情に来た方と一緒に朝ご飯を食べた。幼い頃から生活の中に政治があった」
 45歳で自民党から出馬し県議に初当選。県庁内の保育所設置や妊婦検査の一部無償化などを推進。市長選でも「女性の視点を市政に反映させる」と訴える。
 以前は声楽家を目指していた。「音楽と政治は感性を育む点で通じる」。声楽家になるため、常にトップを目指して努力してきた姿勢を大切に選挙を戦う。
 福島市の自宅で夫(64)、母、長女、孫との5人暮らし。

[さくらだ・ようこ]福島市出身、国立音大卒。福島女子短大講師、福島学院大講師などを経て03年から県議に4選。福島学院大客員教授、学校法人聖光学院理事も務める。