国によるコメの生産調整(減反)がなくなる2018年産を巡って、東北の農業関係者が気をもんでいる。全農の各県本部は事前契約の時期を前倒しするなど安定した販売先の確保に奔走するが、18年産以降の生産や需要の動向は現段階で見通せない。
 東北では、全県が現行の生産数量目標に代わる「生産の目安」を設定する方針。今月下旬にも国から示される全国の需給見通しを踏まえ、各県の農業再生協議会(再生協)が12月末をめどに目安を取りまとめる。
 宮城、秋田の全農県本部は17年産の集荷、販売と並行し、18年産以降の事前契約の時期を前倒しして、年内に進める方針。県再生協が作る目安に実需を反映させ、安定した生産、販売体制の構築を目指す。
 宮城県本部はスケジュールを従来より3カ月ほど早め、対応を急ぐ。秋田県本部の担当者は「生産者もどれくらい作ればいいのか不安に感じている。実需に応じた生産量を提案したい」と話す。
 東北全体の17年産水稲の作況指数(10月15日現在)は99で「平年並み」の見込み。主食用米の過剰作付けが解消され、需給バランスの改善が続いており、各県本部が決めた農協向け概算金はほとんどの主要銘柄で上昇した。
 福島県本部の渡部俊男米穀部長は「値頃感がなくなれば卸が手を引くリスクもあるが、減反廃止を考えると、原発事故前の価格水準で販売努力をするしかない。(概算金を)引き上げた数字は覚悟の表れだ」と気を引き締める。
 国による生産数量目標の配分がなくなる政策転換に加え、減反に参加した生産者が対象の交付金の廃止や米価の上昇基調などが相まって、18年産の全国の作付け動向は不透明だ。
 青森県本部の太田修本部長は「主食用米の作付けは確実に増える。飼料用米が主食用に流出する懸念もある」と指摘。岩手県本部の担当者は「主食用米の供給量が需要を上回ることが心配だ」と不安視する。
 過剰作付けや価格下落への不安が残る中、農協グループは全国的な需給調整機能の必要性を訴えている。山形県本部の担当者は「各産地が生産の目安を守るかどうかが鍵を握っている」と先行きを注視する。