宮城県や大崎市が発注した測量関連業務の指名競争入札で受注調整が繰り返された疑いがあるとして、公正取引委員会は14日、業者の立ち入り検査に踏み切った。立ち入り先には市内の業者で組織し、談合を仕切っていたとされる「研究会」のメンバーが含まれる。県と市には研究会の一部メンバーから談合の申告があったものの確認できず、そこに今回、公取委が実態解明のメスを入れた。
 談合が表面化する原因となったのが、研究会のメンバー業者による昨年12月の県への通報だった。背景にはメンバー間の傷害事件があったとされる。
 複数の関係者によると、研究会メンバーと市外の業者を加えた8業者が、県と市の発注業務でメモなどを使って受注調整を繰り返していた。県への通報をきっかけに、市発注の入札で応札下限額に当たる「最低制限価格」での落札が相次ぐようになった。申告業者の排除を狙ったとみられるという。
 これを裏付けるように、本年度の市発注の測量業務では、これまで17件中11件が最低制限価格と同額で落札され、平均落札率は72.6%。高止まりしていた昨年度(26件)の96.0%から一変した。
 県に通報があった4件のうち1件は、県が業者に不正がないことを確認する誓約書上でも、申告業者が談合を認めるという異例の事態が生じた。しかし、県は「全13社中12社が否定し、入札金額の決定経緯など具体性に乏しく物証も示されなかった」として再入札などの措置は取らなかった。
 8、9月に実施された市の業者ヒアリングでは、申告業者が昨年度の入札26件中、25件が談合だったと報告し、「排除の構図」について直接市の担当者に訴えたとみられる。
 ただ、市も県同様「談合の確認には至らなかった」と結論付け、頻発した最低制限価格での落札については(1)東日本大震災関連業務の減少による競争激化(2)積算ソフト性能の向上-を主な理由に挙げた。
 公取委は県と市の調査結果のほかにも、談合に関する資料を独自に入手している模様だ。
 かつて、談合に加わっていた関係者の一人は「行政の対応は遅きに失した。県と市はなぜこうなるまで事態を改善できなかったか」と吐露。別の業界関係者は「頻発した最低制限価格での落札は、価格漏えいがなければ考えられない。官製談合疑惑についても解明すべきだ」と話した。