平昌冬季五輪出場を決めているアイスホッケー女子の日本代表候補、FW中村亜実(30)=西武、青森県八戸市出身=が、5戦全敗だった2014年ソチ五輪の悔しさを晴らそうと決定力を磨いている。今月19日まで北海道苫小牧市であった代表合宿で、持ち前の体を張った攻撃を見せた。

◎「ゴール前任され使命感」

 最大の特長は相手ゴール前に立ちふさがるスクリーンプレー。GKの視界を遮断し、こぼれたパックを拾ってゴールにねじ込む。時にはスティックでシュートの軌道を変え、ゴールを決める。代表チームでは、数的優位があるパワープレーで中村に託される。
 スクリーン役は、屈強な海外のDFと激しく体をぶつけ合い、時速約100キロのパックが体に当たるかもしれない恐怖とも戦わなければならない。「ゴール前を任され、使命感がある。骨が折れようと、やり遂げる」。チームメートからの信頼を支えにする。
 162センチ、64キロの体格は180センチ超が当たり前の欧米勢と比べ小柄だ。相手の懐に素早く入るスピードと、ぶつかっても倒れない体幹の強さで勝負する。
 ソチの時は当たりに弱く、競り合いではじき飛ばされた。大会後、チームのメニューとして基礎体力強化に励んだ。2~3回が限界だった懸垂は最高21回までできるようになった。力で勝る男子高生との練習が増えたことも功を奏した。「外国人を想定した練習ができ、体の踏ん張りが利くようになった」と手応えを語る。
 平昌では1次リーグでスウェーデン、スイス、韓国と当たる。初戦のスウェーデンは世界ランク5位と、9位の日本より格が上。それでも、15年世界選手権での対戦で中村がスクリーンプレーから得点し、勝利した実績がある。「勝てるイメージがある」。初戦を白星で飾り、波に乗りたい。
 日本女子は1998年長野、ソチと五輪2大会に出場し、10戦全敗。「ソチで1勝もできなかった悔しさはみんなの心の中にある。たくさん点を取り、チームに貢献する」。悲願の一勝、そしてメダルへ。中村の泥くさいプレーが道を切り開く。(佐藤夏樹)