ふるさと納税の返礼品に、「高齢者の見守り訪問」を組み入れる自治体が増えている。返礼のメニューに27日、見守りサービスを加えると表明したむつ市は、市内に親を残して県外で働く層をターゲットに納税額と住民福祉の向上を狙う。東北では須賀川市が「ヤクルトレディ」を活用するほか、寒河江市が全国に先駆けて日本郵便の「みまもり訪問サービス」を採用している。

 むつ市も同様に、日本郵便の仕組みを導入する。市は申込者の情報を日本郵便に提供し、同社が寄付者と契約を結ぶ。高齢者の意思を確認した上で郵便局員らが月に1回、指定された高齢者宅を訪れ、体調や食事、心配事などを聞き取る。
 寄付額は6万円と12万円の2種類。6万円コースは見守り期間が半年、12万円は1年。情報は申込者と市の福祉部門で共有し、利用者の行政サービスにも反映させる。親族間以外でも利用可能で、年齢制限も設けない。
 ふるさと納税に伴う税額控除を全額活用できれば、実費負担は2000円で済む。12月15日にもサービスを始める。
 むつ市の1人暮らしの高齢者は年々、数百人単位で増加し、2017年3月時点で3366人となっている。市は市内の事業者と連携した見守り活動を展開する一方で、増える高齢者への新たな施策を模索していた。
 ふるさと納税を活用した高齢者の見守りサービスは、須賀川市が8月、ヤクルトの訪問販売を利用した見守りサービスをメニューに追加。寒河江市は10月、日本郵便の事業スキームを全国で初めて導入した。
 宮下宗一郎むつ市長は「高齢者の見守りを強化することは、福祉行政にとってプラスになる。(自治体間で)ふるさと納税の獲得競争が激しくなる中、独自サービスにシフトする必要性があった」と話した。