山形県鮭川村曲川で、廃校になった小学校の分校舎を改装し営業していたそば店兼宿泊施設「みやまの里 木の根坂」が30日で営業を終えた。活動を支えてきた住民の体調不良が原因で、2007年8月の開店以来10年間の歴史に幕を閉じ、「2度目の閉校」となった。
 この日は、地元を中心に秋田県などからも客が訪れ、教室のたたずまいを残す店内で地元産の最上早生を使った板そば、マイタケの天ぷらなどを味わった。
 施設は、村中心部から車で20分以上かかる9世帯32人の木の根坂集落にある。住民が07年3月に閉校した曲川小木の根坂分校の木造平屋の校舎を村から無償で借り受け、運営してきた。
 打ちたてのそばに加え、山菜やきのこ料理、漬物の味が人気を集め、秋田県や宮城県から通うファンも多かった。たびたび訪れていた仙台市太白区の元飲食店経営狩野典男さん(67)は「細い山道の奥にある桃源郷だった」と惜しんだ。
 店じまいは、中心的な役割を果たしてきた井上クニ子さん(72)が体調を崩した影響が大きい。10月に役員会を開き、今年限りでの営業終了を決めた。
 集落の区長でもある井上喜子夫代表(70)は「高齢化が進む集落では運営を続けられなかった。設備が整っているので、誰かに活用してもらえるとありがたい」と語る。
 5年前からそば打ちを担当し、クニ子さんと店を切り盛りしてきた小嶋邦彦さん(64)は「アクセスが良くないにもかかわらず、県内外からもお客さんが来てくれた」と感謝した。